2008年4月15日 (火)

国際児童文学館の存続を求める要望書が出ました

児童小説家、批評家のひこ・田中さんが運営されている「児童文学書評」のページに日本マンガ学会からの「大阪府立国際児童文学館の存続を求める要望書」が公開されていました。

検索エンジンで、「児童文学書評」を見つけてください。

存続要望の署名の第二次活動もはじまりました。「児童文学書評」のトップページに用紙が用意されております。署名を募る上で要望書が参考になると思います。


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「飛ぶ教室」でマンガを読みました

石井桃子さんの訃報に接し、久しぶりに書店の児童書コーナーに行ったりしていましたが、
国語の教科書で知られる光村図書から出されている「飛ぶ教室」のバックナンバーを読んでいたら、第8号(2007年冬号)にウィンザー・マッケイの「夢の国のリトル・ニモ」とフランク・キングの「ガソリン・アレイ」というアメリカの新聞マンガが数編載っていました。リトル・ニモは1905年にはじまっているとのことですが、細密な描画と奇想によってなんとも豪華です。「ガソリン・アレイ」というマンガを私は知りませんでしたが、1930年、1934年、1931年?の作品が選ばれていて、これがまた素晴らしい。1934年と記されているものは池に映る上下逆さになった風景の中を空を飛ぶように泳ぐというアイデア。1931年?かよく読み取れませんがそちらは4段3列のコマがただひとつの光景を区切っていて、おのおののコマの中で会話をしている人物たちの会話をたどりながら、なんとなくストーリーがあるような錯覚を起こすという面白い趣向となっています。ちょっと文章でうまく説明できていないかもしれませんがみればわかります。

石井桃子特集のほうは第11号(2007年秋号)となっています。昨年が生誕100年と気づかなかったのでなくなられたと知ってあわてて探してきたのですが、年表がついていて日本の近代児童文学史が一望できるようになっています。
たとえば昭和7(1932)年に菊池寛の紹介で犬養毅首相の書庫の整理をしていたことや(この年5.15事件で犬養首相が暗殺されている)、昭和15(1940)年に「熊のプーさん」を岩波書店から刊行していること、その翌年に「ドリトル先生 アフリカ行き」を井伏鱒二訳で出していて、戦後児童文学の出発点となった「ノンちゃん雲に乗る」は昭和18年頃に完成を見たらしいことなどが記されていて、あらためて戦後文化をリードした巨人の偉業を思うのでした。

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2008年4月14日 (月)

国際児童文学館の問題について、日本マンガ学会から存続要望書が出ます。

日本マンガ学会から正式に公開するのは休み明けになるとのことですが、現在の日本のマンガ研究の先頭に立って奮闘しておられます宮本大人さんのブログで先行公開されています。

宮本さんはそれまでの戦後マンガ史の枠組みを超えて、日本の近代マンガを表象文化としてその歴史をたどる研究を精力的に進めてきました。つまりマンガの中だけで閉じるのではなく美術や文学、児童文化をめぐる状況を踏まえながら、日本のマンガ表現がどのような変遷をたどってきたのかを解明しようという本格的なアプローチを実践してこられて、往々にして愛好者の趣味と見られてきたマンガの研究をきちんと学問として認知させる役割を背負ってこられました。

その研究は一般にはまだ広く知られていないかもしれませんが、画期的な手塚治虫研究を著した夏目房之介さんや、マンガに造詣が深い編集者の方々などマンガ界からもその功績を認められています。マンガ文化研究の価値と可能性を示すことによって、大学でマンガを研究対象とする学生も増えてきました。

私自身細々と週末に個人研究をしていたところで宮本さんの研究を知っていろいろと触発されてきました。漫画を通じて昭和モダニズムから戦時の文化や社会状況についていろいろなことを知るようになってきました。その知識は現在の状況を自分なりに理解する上でもさまざまな示唆に富んでいると思っています。

正式に公開された時点で続報を掲載します。「たかがマンガ」であっても貴重な史料であることを多くの人に知ってほしいと思います。

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2008年4月 9日 (水)

引き続き児童文学館の件です。

先日私も児文に行って会報の臨時号をもらってきました。

活動について

・特別研究員制度による研究成果を公表、企画展を行って、各公共図書館に貸し出し展示を実施
・国際交流事業としてアジアの児童文学を収集、紹介、シンポジウムの開催。

児文と図書館のシステムの違いについて

1.児童関連に特化しているので図書館とは異なる分類体系で詳細なデータを作成している
2.資料の文化財的機能を重視、本の帯も捨てずに保存
 図書館のように雑誌を合本にすることはない。

漫画もライトノベルも少年少女向けであれば対象となります。大阪府民の負担を考えれば全国の愛好者が知恵を出して支援していくことが望ましく、そのためには地域や世代を越えた交流なども期待したいと思います。

前回書いた記事から以降、まだ大阪府の方針についてはっきりとした状況は伝わってきておりませんが、署名活動のほうはそろそろ集計のため、署名用紙を10日を目処に児童文学館を育てる会の事務局宛てに返送していただく形になっておりますので、ご関心のある方はよろしくお願いします。
また実際に利用するなどしてそのままの形で存続させる必要について自分の意見ではっきりと書くことができれば、直接大阪府のページの「知事への提言」に存続を願う要望メールを送るなどもご検討してみてください。

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2008年4月 2日 (水)

大阪府立国際児童文学館存続にご協力お願いします

一年を越えたブランクになってしまいましたが、私のこのブログではマンガ周辺と児童文化の紹介をしておりますので、この場で大阪府立国際児童文学館存続のお願いをしたいと思います。特に戦前、戦中生まれの方にご関心を持っていただきたいと思っております。

大阪府立国際児童文学館は普通の児童図書館の役割を越えて、あらゆる児童文化の資料を収めるという国内でも他に類を見ない「児童文化情報センター」として日本の児童文化を背負ってきました。21世紀に入って国立国会図書館が上野に「わが初の国立の児童書専門図書館」として国際子ども図書館を設立し、児童図書資料を集約させるようになりましたが、大阪府立国際児童文学館と館内構成がとてもよく似ており、お手本にしたのではないかと思われます。
しかしながら、大阪府立国際児童文学館がユニークなのは、戦前から戦後にかけて書店ではなく駄菓子屋や露店などで販売されたいわゆる「赤本」や、紙芝居、雑誌については付録までを収集、所蔵してきた点です。世間から「俗悪」で文化的価値がないとみなされてきた赤本漫画など、個人が所蔵している以外にはここにしかない、というような資料まで含んでいます。これは例えれば近代文学館が文学者の原稿用紙や書簡まで収集するように図書館の機能を越えた活動をしてきたからであって、国際児童文学館にしかないような貴重な資料を府立の図書館が統合しようとしても手に余ります。まず国際児童文学館だからこそできる催しごとができなくなってしまいます。国際的な交流の拠点としてきわめて重要な施設であることを知っていただきたいと思います。

存続を求める署名運動が行われております。ご協力お願いします。

私の言葉が足りないところについてはこの件についてまとめたサイトが立ち上がりましたのでまず次のリンク先を参照してください。署名についてもそこからリンクされています。

大阪府立国際児童文学館存続を求めるお願い

またYahooかgoogleの検索で

「大阪府立国際児童文学館」 IICLO / The International Institute For Children's Literature, Osaka

を検索してみてください。よろしくお願いします。

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