ソノラマ文庫の新刊
最近は雑誌の予告や新刊情報もなかなか目を通す余裕がなくて、いつの間にこんなの出ていたんだと思うことがよくありますが、朝日ソノラマがコミック文庫で旧作を出しているのに気付きましたので紹介します。
![]() | ![]() | 菜の花畑のむこうとこちら
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樹村みのりは14歳でりぼんでデビューして、デビュー当初からすでにある種社会派だったという早熟な作家でしたが、コマ割りに関してもかなり大胆で、名手とも言えました。少女マンガ独特の表現手法を考える上で外せない作家ですが、菜の花畑シリーズは代表作とも言えるもので、樹村作品の中では非常にリラックスした感じでむしろ異色作に見えたものです。あすなひろしの青い空シリーズとちょっと似通った位置づけになるでしょうか。すでに何度となくコミックス化されていますが、大学に入ってすぐでしょうか、ブロンズ社の初出を買いあぐねていたら版元が倒産して東京中の本屋をめぐった記憶があります。
この装丁を見るとちょっと90年頃のフラワーコミックスのワイド版を思い出されますが、収録作はブロンズ社の初出通りになるのでしょうか。
マンガに本当にはまっていたのは予備校から大学の始め頃ですが、めぞん一刻のカラーが載ったスピリッツを高円寺の古本屋まで探しに行って一冊2500円位で創刊当初の古雑誌を見つけて親に前借りして買ったりしていました。マンガの古雑誌を漁り始めたのは先の青い空シリーズが掲載された少年チャンピオンから始まって、その後別冊マーガレット、デラマ、ザ・マーガレットとだんだん難度が高くなっていったのですが、デラマは2年前位に出たのを売り物じゃなくて本を載せる下敷きになっていたのを見つけて手に入れたことがありましたが、ザ・マーガレットとなると読み捨て扱いだったのでコミックスで読んでこのカラーが見たい!と思って探しに行ってもまず入手はできませんでした。中央線沿線から下北沢辺りまでマンガ専門のような古本屋は結構たくさんあったもので、新古書店ができてから小さい店はどんどんつぶれて最近は一部の老舗を除くと、一度買い損ねると翌月手に入らない、という状況です。最近では「モンキー・パトロール」の最終回の載ったフィール・ヤングを買い損ねました。近くの店で雑誌を扱っているので古本落ちしてくるかと思いましたがさっぱりというか、毎日チェックできないし誰かが先に買ったかも。あと橋本みつるという私は非常に好きな作家がいまして「きみとぼく」が休刊になって移籍もせず消えてしまうのか、と心配していたらウィングスに移籍したとかすかに伝え聞き、バックナンバー探しに行きましたがまるで見つかりません。いまだに移籍後の作品を読んでないんですが新書館は期待できるだろうか。花とゆめの増刊あたりで書いていた頃は一冊も単行本が出ませんで、ソニーマガジンズに移って立て続けに作品集が出たのですが、この人はコマ割りも構図も結構すごい作家なのに不遇でもっときちんと評価されてほしかったので新作も期待はしております。
耕野裕子さんも好きな作家でした、と過去形でいうのもなんですが、たしか出産で一時休んだりして講談社に移籍してからはまだ現役のはずですが集英社から講談社に移るパターンだとどうも読み損ねる癖がありまして、青年誌に描く最も偉大な女性作家と思う山下和美さんでさえちゃんと雑誌では追ってないですね。月刊ペースより間が詰まると雑誌が買いづらいという理由はあるのですが(Kissとかも連載で買うとあっという間に山になるんでのだめカンタービレをいまだに読んでいなかったりということに)。
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これは初出がぶーけコミックスのワイド版だったらしいんですが、長期連載だったっけ、物覚えが悪くて思い出せません。うーん困ったな。ぶーけで耕野さんの系統では佐藤真由が好きだったんですよ。少女マンガだと、たぶん古本でも手に入るんでしょうね。
そのほか、
![]() | ![]() | 砂漠に吹く風 (2)
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![]() | ![]() | はるか遠き国の物語 (7)
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![]() | とってもひじかた君 (2)
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![]() | 銀の鬼 (中)
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![]() | ![]() | 極楽町一丁目 (1)
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ちょっと脈絡ありませんがソノラマらしいというか、昔サンコミックスでいろいろ出していたのを考えると菜の花畑シリーズを出したのはちょっと気になるところではあります。樹村みのりの旧作自体は宙出版あたりの女性誌でよく出ているのですが、やはりここ最近の短編でまとまった作品集を出してほしいところです。
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コメント
こんなの、
ISBN: 4063721426
がでてるよ。店頭で見てびっくり。
投稿: tsan | 2006年5月10日 (水) 02時09分